患者さんが婦人科の悩みをChatGPTやGoogleで調べたとき、画面にはどんなサイトが出てくるのでしょうか。マイセレは、婦人科の患者さんが聞きそうな53問を2026年10月17日と18日に測り、地名を含む6問を除いた47問で、出てきたサイトの種類を数えました。

30秒でわかる要約

Googleの検索結果では、出たサイトの約67%がクリニック・病院の公式サイトでした。

  • ChatGPT(ログインなし)が出典リンクを出したのは47問中12問で、その中では公的機関が24件中10件と最多でした。
  • 同じ質問を2回測ると、Googleは出たサイトが平均で約8割重なり、ChatGPTは出典リンクが出る質問そのものが入れ替わりました。
  • 質問は1つのクリニックを想定して作り、測定も2日間です。他の診療科や時期には当てはめられません。
目次

AI検索の引用元とは何か、今回の調査で何を測ったのか

この章では、AI検索の引用元の意味と、今回の質問・期間・環境、サイトの分類方法を示します。

AI検索の引用元とは、ChatGPTのようなAIが回答をつくるときに参照し、出典として画面に示すサイトのことです。今回はChatGPTの出典リンクに加えて、比較のためにGoogleの検索結果に出たサイトも数えました。ただし、Googleの数字はAI概要の引用元ではなく、検索結果の画面に出たサイトです。

項目 内容
質問 婦人科の患者さんが聞きそうな53問。生理痛・ピル、避妊・緊急対応、検査・検診、更年期・からだのケアの4分野。1つのクリニックの診療メニューを想定して作った質問
集計した質問 地名を含む6問を除いた47問
測定日 2026年10月17日と18日
測定環境 表示ありのChrome、ログインなし。ChatGPTの回答とGoogleの検索結果の画面に出たリンク先を記録
測定回数 1回目は47問すべて。2回目はChatGPTが47問、Googleが25問(連続測定の制限で全問は取れませんでした)
数え方 質問ごとにサイトのドメインを1件と数える。同じサイトが複数の質問に出たら、質問の数だけ数える。ログイン・地図・ヘルプなど画面の部品のリンクと、質問の対象にしたクリニック自身のサイトは除く
分類 クリニック・病院の公式サイト、公的機関・学会・医師会、病院検索・口コミ・予約のポータル、医療情報メディア・専門家の解説、製薬・メーカー・検査会社、その他の6種類。ドメイン名とサイトの性格から分類し、判別が難しいものと、質問回答サイトは「その他」に入れた

Googleの検索結果に出たサイトの種類別割合。クリニック公式サイトが67%、製薬メーカー等が8%、医療情報メディアが8%

測定には、ChatGPTとGoogleが画面に出した情報だけを使っています。回答の医療内容が正しいかどうかは評価していません。

AI検索の引用元は、Googleではクリニック公式サイトが約3分の2だった

この章では、Googleの検索結果に出たサイトを種類別に数えた結果を示します。

Googleでは47問のすべてで、検索結果にクリニックの公式サイトが出ていました。質問ごとに出たサイトを数えると478件で、重複を除くと319サイトです。478件のうち320件(66.9%)がクリニック・病院の公式サイトでした。

サイトの種類 件数 割合 出た質問数(47問中)
クリニック・病院の公式サイト 320件 66.9% 47問
製薬・メーカー・検査会社 40件 8.4% 24問
医療情報メディア・専門家の解説 36件 7.5% 21問
公的機関・学会・医師会 35件 7.3% 25問
病院検索・口コミ・予約のポータル 29件 6.1% 16問
その他(質問回答サイトを含む) 18件 3.8% 15問

特定のサイトに集中しているわけではありません。319サイトのうち234サイト(73%)は、1つの質問にしか出ませんでした。出た回数が多い上位10サイトを足しても、478件の約11%です。質問ごとに、別のクリニックが並ぶ形でした。

Googleの「AIによる概要」が出たのは、ピルに関する3問だけでした。2回測れた25問では、1回目と2回目で出たサイトが平均で約8割重なっていて、Googleの検索結果は回をまたいでも安定していました。

AI検索の引用元は、ChatGPTでは公的機関が中心で、出た質問は少なかった

この章では、ChatGPTが出典リンクを出した質問と、その中身を示します。

ログインなしのChatGPTは、47問すべてに回答文を返しましたが、出典リンクが画面に出たのは12問(26%)だけでした。残る35問は、回答文はあるものの、リンクとして記録できる出典がありませんでした。

サイトの種類 件数 割合
公的機関・学会・医師会 10件 41.7%
クリニック・病院の公式サイト 6件 25.0%
医療情報メディア・専門家の解説 6件 25.0%
病院検索・口コミ・予約のポータル 1件 4.2%
その他 1件 4.2%
製薬・メーカー・検査会社 0件 0%

12問で出た出典は24件、17サイトです。件数が少ないので、割合は目安として見てください。

ChatGPTで出典リンクが出たのは47問中12問で、公的機関が出たのは8問、クリニック公式サイトが出たのは4問

質問の型で見ると、公的機関が出た8問は、病気・検査・薬・制度の一般的な説明を求める質問が中心でした。一方で、クリニック公式サイトが出た4問は、「オンラインで受けられる婦人科はありますか」「初診は予約が必要で、仕事帰りや土日に通えますか」のように、通える・受けられる医療機関を探す質問でした。

同じ質問を2回測ると、出典リンクが出た質問は1回目が10問、2回目が8問で、両方で出たのは6問でした。出たサイトの重なりは平均で約3割(0.26)にとどまり、ChatGPTの出典は回ごとに入れ替わります。

AI検索の引用元の調査から分かることと、分からないこと

この章では、今回の数字から言えることと、言えないことを分けて整理します。

分かるのは次の3点です。Googleの検索結果では、質問が変わってもクリニック公式サイトの比率が高いこと。ログインなしのChatGPTでは、出典リンクが出る質問自体が少なく、出るときは公的機関の比率が高いこと。そして、ChatGPTの出典は回ごとにぶれることです。

反対に、次のことは分かりません。実際の患者さんが使う画面での見え方、ログイン後のChatGPT、GeminiなどほかのAI、他の診療科、AIの回答内容の正しさです。質問は1つのクリニックを想定して作り、測定も2日間なので、一般化はできません。3回目の測定は連続測定の制限で一部しか取れず、集計には使っていません。

注意

この調査は、AIの出力の傾向を数えたもので、医療の内容を評価するものではありません。回答の医療内容を引用する場合は、医師の最終確認が必要です。

AI検索の引用元に選ばれやすいサイトにするため、クリニックが見直す3点

この章では、今回の結果を踏まえて、クリニックのサイトで先に見直したい3点を示します。ここから先は事実ではなく、マイセレの見立てです。

Googleは、AI機能に掲載されるための専用の追加対策は不要としています。そのため、基本の見直しが中心になります。結論を先頭に置く、出典と更新日を載せる、FAQを構造化するの3点です。ChatGPTで公的機関の出典が目立ったことからも、数字や制度には公的な出典を示し、確認した日付を添える意味があると考えています。

クリニックのサイトで見直す3点。結論を先頭に置く、出典と更新日を載せる、FAQを構造化する

点検には、7項目のチェックシートを使えます。詳しくはAI検索に引用されやすいサイトの7項目チェックシートをご覧ください。医療機関のサイト全体の考え方は医療機関のAI検索対策で、LLMO対策の基本はLLMO対策とはで解説しています。

実践ポイント

自院で実践するなら、まず予約や相談が多いページを1つ選び、最初の2文で結論を書き、出典リンクと更新日を載せてください。医療機関のサイトは医療広告ガイドラインの対象なので、表現は厚生労働省の医療広告ガイドラインで確認してください。

AI検索の引用元になれているかを点検できる、無料Web集客診断のご案内

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AI検索の引用元に関するよくある質問

この章では、AI検索の引用元について、クリニックの方からよく出る4つの質問に答えます。

クリニックの公式サイトがAI検索に出るには、何をすればよいですか?

Google公式は、AI機能への掲載に専用の追加対策は不要で、通常の検索結果に表示される条件を満たすことが前提だと案内しています。まずは結論を先頭に置く、出典と更新日を載せる、FAQを整えるといった基本を見直すのが現実的です。

ChatGPTにクリニックの名前が出ないのは問題ですか?

今回の測定では、ログインなしのChatGPTは47問中35問で出典リンクを出していません。出る場合も質問によって入れ替わりました。名前が出ないこと自体を問題とは判断せず、検索結果での見え方と合わせて見ることをおすすめします。

この調査結果は、他の診療科にも当てはまりますか?

当てはまるとは言えません。今回は婦人科の患者さんが聞きそうな質問で、1つのクリニックの診療メニューを想定して作った質問です。他の診療科や地域では、別に測る必要があります。

調査の質問は、何をもとに作りましたか?

婦人科の患者さんが調べそうな内容を、生理痛・ピル、避妊・緊急対応、検査・検診、更年期・からだのケアの4分野で53問作りました。想定した文で、実在する患者さんのデータは使っていません。

参考文献・出典

この章では、本文で使った情報の出典を示します。リンクは2026年10月21日に確認しました。

更新履歴

この章では、この記事の更新内容を記録します。

  • 2026年10月21日に初版を公開しました。