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SEOの正しいKPIの設定方法!成果が出る目標設計の仕方や計測・改善ステップを解説

SEO KPI

「SEOの成果がなかなか実感できない…」と悩んでいませんか?

効果測定が曖昧なままでは、かけた時間やコストが成果に結びついているか分からず、不安になってしまいますよね。

その悩みの多くは、適切な「KPI設定」を見直すことで、解決への道筋が見えてきます。

この記事では、ビジネスの成功につながるKPI設定の具体的な手順や、改善の流れを分かりやすくご紹介します。

目次

SEOのKPIとは? 基本概念と役割

SEOにおけるKPIとは「Key Performance Indicator」の略で、重要業績評価指標と訳されます。

これは、SEO施策が最終的な目標(KGI)の達成に向けて、順調に進んでいるかを判断するための中間的な指標です。

KPIは、いわば長距離マラソンにおけるチェックポイントのような役割を果たします。

ゴール(KGI)だけを見ていると、現在のペースが正しいのか、道は合っているのかが分からなくなります。

そこで、5km地点、10km地点といったチェックポイント(KPI)を設けることで、進捗を客観的に把握し、必要に応じて戦略を修正できるのです。

具体的には、「検索順位」「Webサイトへの流入数」「コンバージョン数」などがKPIにあたります。

これらの数値を定期的に観測することで、施策の効果を可視化し、データに基づいた改善活動を可能にすることが、SEOにおけるKPIの最も重要な役割と言えるでしょう。

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SEOのKPIが重要視される理由

なぜSEOにおいてKPIがこれほど重要視されるのでしょうか。

その理由を深く理解することで、KPI設定の精度を高めることができます。

ここでは、最終ゴールであるKGIとの関係性や、ビジネス全体への貢献度を明確にするためのポイントを解説します。

SEOのKPIが重要視される理由

KGIとの関係性

KPIの重要性を理解する上で、KGIとの関係は切り離せません。

KGI(KeyGoalIndicator)は、日本語で「重要目標達成指標」と訳され、ビジネスにおける最終的な目標を定量的に示す指標です。

例えば、「Webサイト経由の売上を年間3,000万円にする」といった目標がKGIにあたります。

KPIは、このKGIを達成するための中間指標です。

売上3,000万円(KGI)という大きな目標を達成するために、

「まず自然検索からのアクセス数を月間10万セッションにする」
「次に、そのアクセスからの問い合わせ件数を月間100件にする」

といった具体的なチェックポイントがKPIとなります。

つまり、KGIというゴールに対して、KPIが正しく設定されていれば、KPIの数値を追いかけることで自然とKGI達成に近づくのです。

この関係性が崩れていると、いくらKPIを達成しても最終的なビジネス成果には結びつきません。

ビジネスゴールとKPIの紐付け

SEOのKPIは、必ずビジネスの最終的なゴールと紐付いている必要があります。

なぜなら、検索順位を上げることやアクセス数を増やすこと自体は、あくまで手段に過ぎないからです。

その先にある「売上向上」「リード獲得」「ブランド認知度向上」といったビジネスゴールに貢献してこそ、SEO施策は意味を持ちます。

例えば、ビジネスゴール別のKPI紐付けは以下のようになります。

ビジネスゴール KGI(重要目標達成指標)の例 KPI(重要業績評価指標)の例
売上向上(ECサイト) 自然検索経由の売上〇〇円 自然検索流入数、CVR、購入単価、特定キーワードの検索順位
リード獲得(BtoB) 自然検索経由の問い合わせ〇〇件 資料請求数、セミナー申込数、非指名キーワードの流入数
広告収益向上(メディア) 広告収益〇〇円 PV数、セッション数、リピート率、平均セッション時間
ブランド認知度向上 ブランド名での検索数〇〇回 指名検索数、被リンク数、サイテーション数

このように、自社のビジネスゴールから逆算してKPIを設定することで、日々のSEO活動が直接的な成果につながるようになります。

SEOのKPI設定方法4ステップ

ここでは、成果に直結するKPIを具体的に設定するための手順を解説します。

この4つのステップを踏むことで、誰でも迷わず、かつ自社の状況に合った目標設定ができるようになります。

最終目標(KGI)の明確化

最初のステップは、最も重要な最終目標(KGI)を明確にすることです。

SEO施策を通じて、ビジネスとして最終的に何を達成したいのかを定義します。

このKGIが曖昧なままでは、適切なKPIを設定することはできません。

KGIは、「SMART」と呼ばれるフレームワークに沿って設定すると、より具体的で分かりやすくなります。

  • Specific(具体的か)
  • Measurable(測定可能か)
  • Achievable(達成可能か)
  • Relevant(関連性があるか)
  • Time-bound(期限が明確か)

例えば、「売上を増やす」という曖昧な目標ではなく、「2025年度末までに、自然検索経由の売上を前期比150%の3,000万円にする」といったように、誰が見ても分かる具体的な目標を設定しましょう。

KPI候補リストアップ

KGIが明確になったら、次はその達成に貢献しうるKPIの候補を洗い出します。

この段階では、完璧な指標を選ぶことよりも、考えられる指標を幅広くリストアップすることが重要です。

例えば、KGIが「自然検索経由の問い合わせ月間100件」の場合、以下のようなKPI候補が考えられます。

  • 自然検索からのセッション数
  • 問い合わせフォームページの閲覧数
  • 問い合わせ完了率(CVR)
  • 「サービス名+地域名」など主要キーワードの検索順位
  • 平均セッション時間
  • 新規ユーザー数

これらの候補の中から、自社のビジネスモデルや施策フェーズに合った、より重要な指標を絞り込んでいきます。

KPIツリーの作成

リストアップしたKPI候補を整理し、KGIとの関係性を可視化するために「KPIツリー」を作成します。

KPIツリーとは、KGIを頂点に置き、その構成要素を分解していく思考フレームワークです。

例えば、ECサイトの売上(KGI)は、「セッション数×CVR×客単価」という式で分解できます。

さらにセッション数は「表示回数×クリック率」に、CVRは「購入完了数÷セッション数」に分解できます。

このように、KGIを達成するための要素を細かく分解し、樹形図のように整理することで、どの指標がKGIに直接影響を与えるのか、

そしてどの指標を改善すれば良いのかが一目瞭然になります。

このツリー構造の中から、特に重要な分岐点を主要KPIとして設定します。

数値目標・期間設定

KPIツリーで主要な指標を特定したら、それぞれのKPIに具体的な数値目標と達成までの期間を設定します。

この目標設定は、過去の実績データや業界平均、競合の状況などを考慮し、現実的かつ挑戦的なレベルに設定することが肝心です。

例えば、「3ヶ月後までに、主要キーワード5つの検索順位を平均5位以内にする」「半年後までに、自然検索からのセッション数を月間5万まで増加させる」といった具体的な目標を立てます。

期間を区切ることで、定期的な進捗確認が可能になり、施策のPDCAサイクルを回しやすくなります

SEO対策で設定すべき主要KPI

多岐にわたるSEOの指標の中から、特に重要なKPIを厳選してご紹介します。

これらの指標は相互に関連しているため、自社のビジネスモデルやフェーズに合わせて、どの指標を追うべきか判断する参考にしてください。

トラフィック系指標

Webサイトへの訪問者数に関する指標です。

SEOの基本的な成果を示します。

  • 自然検索からのセッション数/ユーザー数
    :検索エンジン経由でサイトを訪れた訪問の数や人数。
    SEO施策の最も基本的な成果指標です。
  • 新規ユーザーとリピーターの比率
    :初めて訪れたユーザーと再訪問したユーザーの割合。
    コンテンツの質やファン化の度合いを測れます。

コンテンツ品質系指標

ユーザーがサイト内でどのように行動したかを示す指標です。

コンテンツの満足度を測るのに役立ちます。

  • 平均エンゲージメント時間(GA4)
    :ユーザーがページをアクティブに閲覧していた時間の平均。
    コンテンツがしっかり読まれているかを示します。
  • 閲覧開始数/イベント数
    :特定のページが閲覧され始めた回数や、ページ内で発生した特定のアクション(クリック、スクロールなど)の数。

検索順位系指標

Googleなどの検索エンジンにおける表示順位に関する指標です。

  • キーワード別検索順位
    :対策しているキーワードが検索結果で何位に表示されるか。定期的な観測が必須です。
  • 表示回数とクリック数
    :検索結果に自社サイトが表示された回数と、実際にクリックされた回数。
    SearchConsoleで確認できます。

収益・コンバージョン系指標

ビジネスの最終成果に直結する最も重要な指標群です。

  • コンバージョン(CV)数
    :商品購入、問い合わせ、資料請求など、サイト上で設定した目標の達成数。
  • コンバージョン率(CVR)
    :セッション数のうち、コンバージョンに至った割合。
    サイトの収益性を測る重要な指標です。
  • クリック率(CTR)
    :表示回数のうち、クリックされた割合。
    検索結果画面での魅力度を示します。

直帰率(BounceRate)

1ページだけを閲覧してサイトを離脱したセッションの割合です。

GA4ではこの指標は廃止され、代わりに「エンゲージメント率」が導入されましたが、ユーザーの関心を引けなかった指標として依然参考になります。

平均セッション時間

ユーザーがサイトに滞在した時間の平均値です。

この時間が長いほど、ユーザーがコンテンツに興味を持ち、回遊している可能性が高いと判断できます。

ページ/セッション数

1回の訪問あたりに閲覧されたページ数の平均です。

この数値が高いほど、サイト内で多くのページが回遊されていることを示し、ユーザーの関心が高いと評価できます。

インデックスカバレッジ

Webサイト内のページが、Googleに正しく認識(インデックス)されているかを示す機能です。

重要なページがインデックスされていないと、検索結果に表示されないため、定期的な確認が必要です。

クリック率(CTR)

検索結果に表示された回数(インプレッション)のうち、ユーザーがクリックした割合です。

CTRが高いページは、タイトルやディスクリプションがユーザーの検索意図と合致していることを意味します。

ブランドキーワードの流入数

会社名やサービス名など、特定のブランド名を含むキーワードからの流入数です。

ブランドの認知度やロイヤリティを測る指標となります。

非ブランドキーワードの順位推移

ブランド名を含まない一般的なキーワード(例:「ニキビケアおすすめ」など)での順位変動です。

新規顧客を獲得するための潜在層へのアプローチがうまくいっているかを示します。

SEOによるリードまたは売上貢献度

自然検索経由で獲得したリード(見込み客)や売上が、事業全体にどれだけ貢献しているかを示す指標です。

SEOの投資対効果(ROI)を測る上で最終的に最も重要となります。

KPIが悪化した時の改善フロー

KPIの数値が悪化しても慌てる必要はありません。

むしろそれは、サイトの課題を発見し、改善するための貴重なシグナルです。

ここでは、冷静に原因を突き止め、次の一手につなげるための具体的な改善フローを紹介します。

原因分析ステップ

まず、KPIが悪化した原因を特定するための分析を行います。

考えられる要因を一つずつ切り分け、仮説を立てて検証していくことが重要です。

  • 内部要因:サイトリニューアルやURL変更、コンテンツの修正などが影響していないか。
  • 外部要因:Googleのコアアルゴリズムアップデートが実施されていないか。競合サイトが大きな施策を打っていないか。
  • 季節要因:特定の時期に需要が変動する商材ではないか。
  • 検索意図の変化:ユーザーが求める情報が変化していないか。

これらの要因を、Search Consoleのデータや過去のトレンドと比較しながら分析し、最も可能性の高い原因を突き止めます。

施策立案と優先順位

原因が特定できたら、次はその課題を解決するための具体的な施策を立案します。

例えば、「アルゴリズムアップデートで品質の低いページの評価が下がった」のが原因であれば、「低品質なコンテンツのリライトや統合」が施策となります。

複数の施策候補が挙がった場合は、優先順位を付けることが重要です。

「インパクト(効果の大きさ)」「コンフィデンス(成功の確信度)」「イーズ(実施の容易さ)」の3軸で評価する「ICEスコア」などのフレームワークを活用し、最も効果的で実行しやすい施策から着手しましょう。

ABテストと検証

施策を実行する際は、可能な限りABテストを行い、その効果を客観的なデータで検証することが望ましいです。

例えば、ページのタイトルやディスクリプションを変更する際に、複数のパターンを試してクリック率(CTR)の変化を比較します。

ABテストが難しい場合でも、施策実施前後のKPI数値を必ず記録し、比較分析を行いましょう。

つまり、「施策を実行したら、狙い通りに数値が改善したか」を検証することで、その施策が正しかったのかを判断し、次のアクションの精度を高めることができます。

次サイクルへの反映

検証結果は、必ずチームで共有し、次の改善サイクルに活かします。

成功した施策であれば、他のページにも横展開することを検討します。

一方で、効果が見られなかった施策であれば、その原因を再度分析し、異なるアプローチを試みます。

このように、「分析→施策立案→検証→反映」というPDCAサイクルを継続的に回していくことが、KPIを改善し、SEOを成功に導くための王道と言えるでしょう。

SEOのKPI設定に関してよくある質問

最後に、SEOのKPI設定に関して多くの担当者が抱える疑問にお答えします。

これを読めば、KPI運用に関するさらなる不安が解消され、自信を持って施策に取り組めるようになるでしょう。

SEOのKPIはどの指標を設定すべき?

どの指標を設定すべきかは、あなたのビジネスモデルやサイトの成熟度によって大きく異なります。

もし迷ったら、まずは自然検索からのセッション数」と、最終成果である「コンバージョン(CV)数」の2つから始めることをお勧めします。

この2つは、SEOの基本的な成果とビジネスへの貢献度を測る上で最も重要な指標だからです。

そこから、自社の課題に合わせて「検索順位」や「クリック率」といった指標を追加していくと良いでしょう。

SEOのKPIはいくつ設定すべき?

一度に追うKPIの数は、3つから5つ程度に絞るのが理想的です。

あまりに多くのKPIを設定すると、どの指標が重要なのか分からなくなり、分析や報告の工数も増大してしまいます。

KPIツリーを作成し、KGIに最もインパクトを与える重要な指標を厳選しましょう。

多すぎず少なすぎず、チーム全員が常に意識できる数が最適です。

SEOのKPIはどの頻度で見直すべき?

KPIの数値自体は、可能であれば毎日、少なくとも週次でチェックし、変化の兆候を捉えることが重要です。

一方で、KPIの「設定そのもの」を見直すのは、四半期(3ヶ月)に一度、または半期に一度程度の頻度が適切です。

ビジネスの状況や市場環境の変化に合わせて、設定したKPIが今も本当に追うべき指標なのかを定期的に再評価し、必要であれば見直しを行いましょう。

SEOのKPIのまとめ

本記事では、SEOの成果を最大化するためのKPI設定について、その基本から実践までを解説しました。

つまり、KPIとは最終目標(KGI)達成への中間指標であり、これを適切に設定することで、施策の効果を客観的に評価し、データに基づいた的確な改善活動を行えるようになります。

まずはKGIを明確にし、そこから逆算して具体的な数値目標を立てることが重要です。

設定後は継続的に数値を観測し、悪化した際は原因分析から改善策の実行というサイクルを回していきましょう。

この記事で紹介したステップを参考に自社に最適なKPIを設定し、戦略的なSEO運用で確かな成果へと繋げてください。

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